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「不思議なものにございますなぁ」

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「不思議なものにございますなぁ」

「不思議なものにございますなぁ」

 

三保野が縁に白湯を運びつつ、濃姫に語りかけた。

 

「不思議とな?」

 

「つい二、三日前まであんなにも殺風景な庭でしたのに、もうこんなにも様変わりして。まるで、もののけの技を見ているようでございますなぁ」

 

三保野の素直な感想に、濃姫は思わず笑みを漏した。

 

「もののけとは、また失礼なことを申す。そこは職人方の技というべきであろうに」

 

「で、ですから、職人方の技が妖術のようで不思議だと言いたかったのでございます」

 

慌てて言葉を重ねる三保野をちらと見て 【BOTOX 美容】 收鼻翼、去除眉心紋療程資訊 - Cutis

 

「ま、そういう事にしておこうか。実際、その通り故のう」

 

濃姫は朗らかに微笑(わら)いながら、再び前庭に目を向けた。

 

 

まだ修繕の途中ではあったが、凸凹が目立っていた地面は綺麗に地ならしされ、そこに道を造るように白い敷石が十字の形に敷き詰められていた。

 

その脇には躑躅(つつじ)などの高さの低い木々が敷石に沿うように植えられ、十字の道の中間には小さな作り池が設けられている。

 

池の上にはこれまた小さな朱塗りの太鼓橋が架けられており、その奥の左右に大きな二つの花壇。

 

更にその奥に、新たに植え直された樹木たちが天に向かって賑々しく枝を張っていた。

 

木々を奥に、花々を手前に配置した為、以前よりも庭がずっと広々として見え、何より典麗で美しいのである。

「なれど姫様、少々樹木が多過ぎはしませぬか?」

 

木の種類もばらばらで、まるで統一性が感じられないと、三保野は小言を漏らした。

 

「殿があえてそう命じられたのです。春には桜が咲き、秋には紅葉が色付く。四季の趣がより深く感じられる庭になるようにと」

 

「左様にございましたか。にしても、部屋作りが不得手な殿も、庭作りはお見事なものにございますな」

 

「いや、殿は二、三、案を出されただけで、この庭の設えは殆(ほと)んど職人らが考えたものじゃ」

 

「そうなのですか?」

 

部屋同様、全て信長の指揮と考えのもとで行われていると思っていた三保野は、意外そうに目を瞬いた。

 

「部屋の家具は、用意も設置も殿の思いのままに出来るが、庭ばかりは土地のことから草木のこと、水に至るまでの知識がなくては難しい。

さすがの殿も、職人方の意見を採り入れずして庭を整えることは出来なかったと見ゆる」

 

「まぁ、でしたら職人さまさまにございますなぁ」

 

「ほんにのう」

 

濃姫は三保野と声を揃えて笑いながら、ふと、右手に見える渡り廊下の方へ目を向けた。

 

侍女のお菜津が、一通の書状を胸の上に抱えながら、足早にこちらへ駆けて来る姿が見えたのである。

 

濃姫は膝元に置かれていた湯飲みをスッと横にずらすと、お菜津が駆けて来る方向へと身体の向きを変えた。

 

やがてお菜津が濃姫の部屋の縁までやって来ると

 

「失礼致します。……恐れながら、お方様に一つ、お伺い致したいことがございます」

 

姫の前で平伏の姿勢をとりながら、固い表情で訊ねた。

「何じゃ?」

 

「お方様のお身内、或いは美濃の頃のお知り合いの中に、笠松なるお方はおいでにございましょうか?」

 

「かさまつ?」

 

お菜津は頷くと、胸の上に抱えていた書状を姫の前に差し出した。

 

「美濃からお方様に宛てて、笠松殿というお方からお文が届いているのですが、ご存じではありませぬか?」

 

「美濃でのう

 

濃姫が思わず思案顔になって考えていると

 

「姫様、もしや小見の方様にお仕えしておられる侍女の笠松様のことではありませぬか?」

 

三保野がやんわりと告げた。

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